ギャラリー解説

古陶磁器

河南窯系茶褐釉玉壺春瓶(元時代、AD1271〜1367)

高さ15.6cm、口径6cm、底径8cm、胴径11.5cm

河南地方で作られたものと思えるが、窯の特定は出

来ない。当時の雑器の一種で、軟らかい陶胎の上

に茶褐釉が厚くかけてあり、畳付けだけが無釉で頸

と胴との二段継ぎである。この系統の壺は、南宋・

元・明と長期間にわたって作られ、釉薬が茶褐釉で

あろうと黒釉であろうと柿釉であろうと、略同形態で

あり、本品は、高台内にS字渦巻き形の浮紋が視ら

れる。中国から出される図版も、南宋の品、或いは

元の品、と一定していないが(何故か明の品とした

図版は見当たらない)、一応中間を取って元の品と

措定しておく。


[ギャラリー一覧へ戻る]