ギャラリー解説

古陶磁器

倣永樂吉州窯青花詩句海馬文有蓋碗(清末期時代、AD1875〜1911)

蓋高3.4cm、蓋口径13.5cm、碗高7.2cm、碗口径12.7cm、

底径5.8cm、在銘、永樂年製(青花楷書二行款)

見込みに永樂年製の倣款を入れ、碗の外面に詩文を書くのは、天啓

年間(1621〜1627)に景徳鎭で作られた「赤壁賦図碗」が有名であ

るが、本品は、胎土に白化粧を施して青花で絵付けし、その上から透

光性の強い上薬がかけられて、貫入の入った樣は一見哥釉地の様に

見えるが、むしろ表面は硝子の様である。濃青の青花で簡略化した明

末の紋様が描かれている点から考えるに、清末吉州窯の天啓写しと思

われるが、或いは明末の吉州窯青花碗かもしれない。尚、蓋は碗と会

わず後家蓋であるが、蓋の中央と高台内には、共に「m石城昴龍乾」

の銘が書かれている。


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