ギャラリー解説

古陶磁器

黒釉地三彩花卉文六角有耳瓶(道光年間、AD1821〜1850)

高さ20cm、口横長7.9cm、口縦長6.1cm、肩横長9.5cm、

肩縦長7.2cm、底横長6.4cm、底縦長5cm

在銘、大清道光年製(陽刻篆書款)

肩と胴の六面に彫瓷で花卉紋様が彫られ、その上に三彩

釉が施されている。本品は、胴と首の花卉紋様のみならず

肩と足の斜め格子様も彫瓷であり、口縁と足先は線刻の回

文が彫られている。また各部分の色付けも明白に各々の枠

内に納まりはみだしておらず、しかも肩継ぎで張り合わせで

はない。釉薬のハレーション具合や瓷土の状況は、明らか

に清朝中期の様相を示している。更に言えば、道光時代に

作られた彫瓷ものには青花款ではなく陽刻篆書款が入れ

られるのが通例である。これらの諸点を勘案すると、道光

官窯の小瓶の可能性が無い訳では無い。

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