ギャラリー解説

古陶磁器

鈞窯月白釉雙魚文折縁皿(金・元時代、AD1126〜1367)

高さ6.2cm、口径25.4〜26cm、底径13.9cm

月白釉の皿である。この様な双魚紋様を見込みに刻するのは、南

宋から元にかけて龍泉窯の青磁や景徳鎭の青白磁に多く見られる

が、月白釉ものは極めて珍しい。見込みの霜降りやかせ・全体的へ

たり等の状況からして、恐らく廃棄された失敗作の発掘品であろうと

思われるが、問題は胎土である。北宋河南省禹県の鈞窯とは異な

り無乃龍泉窯の胎土に近い。北宋鈞窯が衰退する南宋以後は、北

方のみならず南方の各窯でも鈞磁所謂鈞窯釉製品が焼かれ、景徳

鎭でも金華窯などでも鈞磁が出土している。本品は、類例こそ少な

いが、形態・紋様・胎土から考えるに、恐らく龍泉窯系の窯で作られ

た鈞磁、鈞窯釉雙魚文折縁皿ではないのかと、推測される。


[ギャラリー一覧へ戻る]