ギャラリー解説
古陶磁器
落地彩(粉彩)花卉文紙筒(民國二十一年、AD1932) |
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高さ31cm、一辺12cm 在銘、劉雨岑(四面)・希平草廬(底裏) 四面にそれぞれに四季の花や昆虫が描かれていお り、劉雨岑なる署名が有るものの、底裏の落款は希 平草廬(王大凡)となっている。劉雨岑にしろ王大凡 にしろ、当時名を馳せた民國初期の名画工で、共に 「珠山八友」と総称された人々である。その署名と落 款をそれぞれ模した本品は、あざといまでの倣品に 過ぎないとは言え、当時の「珠山八友」の名声の高さ を窺い知るのには十分なものがある。「珠山八友」と は、「人物の王g・王大凡、花鳥の程意亭・劉雨岑、 魚藻の鄭碧珊、梅花の田鶴仙、山水の汪野亭、松 竹の徐仲南」の八人である。清朝時代に倣官窯作 品が作られたのと同様に、民國時代に至ると、倣名 工作品が作られ出す。清朝の崩壊に伴い官窯が滅 び、ブランドであった官窯の落款が個人名に取って 代わられたと言うことであり、今に至るまで倣品の制 作が止む事はない。尚、王大凡は粉彩の一種であ る落地彩(絵柄の枠の中に玻璃白を載せないで顔 料を塗る方法)の名画工として高名で、1915年の パリ万博に出品して入賞した作家でもある。日本で は、この時期の作品を殆ど評価しないが、中国では それなりに高い評価を得ている。 |