ギャラリー解説

古陶磁器

徳化窯白磁獅子薫爐(民國以後、AD1950〜1990)

高さ13.5cm、横長21cm、奥行き11.5cm

徳化窯は、仏像や観音像などが有名であるが、この様な動物ものも作っ

てはいるが、獅子と牡丹の意匠とは出来すぎである。無論意匠自体は古

くから有り、例えば江戸時代の長篇読み本「八犬伝」の主人公達の痣は

牡丹であり、犬姫の相手は犬ではなく実際は狛犬つまり唐獅子である。

しかし、それにしてもである。顔や尻尾の形態は清朝風であるが、足が些

か大き過ぎれば、民國以後と見た方が無難である。「エンコ生まれの浅草

育ち、義理と人情を秤に掛けりゃ」の世界を彷彿とさせれば、背中から眺

めて哀愁を感じることと致しましょう。尚、最近本品の倣品が多く出回って

いる。そのまま白磁であったり、貼り付けの牡丹を青花にしたりと、多様

であるが、明らかにラインの甘さが目立つ。

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