ギャラリー解説

古陶磁器

古越窯青磁鏤空薫爐(西晉時代、AD266〜344)

総高20.5cm、鳥高2.5cm、足高2cm、径12.5cm

西晉時代の江南墓から、この様な形態の薫爐

が多く出土する。普通は足の下に、更に盤台が

就いているが、盤台の無いものも存在し、盤台

の有るものは概して薫爐部分が球形に近く、盤

台の無いものは概して楕円に近く、釉薬として

は越窯の青磁、徳清窯の黒釉などが見られる。

本品は、三角窗が大きく可成り雑な作りであれ

ば、明らかに明器であり、釉表も殆どかせて黒

褐色に近い色に変質している部分が多いが、

水分を含ませると本来の青磁色である暗緑色

を呈し、乾くと黒褐色に変化する。一応形状の

類型から西晉時代と判断したが、青磁のかせ

状態は五代時代の越窯青磁に近い、或いは、

五代時代の物の可能性も有る。

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