ギャラリー解説

古陶磁器

福建窯青磁不游環耳瓶(明初期時代、AD1368〜1463)

高さ16.1cm、口径4.7cm、胴径7.5cm、底径5cm

オリーブ色と言えなくも無いが、何れにしろガラス化し

た色の悪い灰青色青磁で、全体的形状とやや開きぎ

みの高台作りは、明らかに元様式であり、口の開き具

合・胴継ぎの様子・高台内部の作りは、明代に見られ

る傾向であれば、時期的には明初ものと見るのが妥当

な判断と言えよう。本来この形態の瓶は、龍泉窯で元

代から作られているが、本品は明らかに胎土が龍泉と

は異なり肌色の軟らかい胎土であれば、釉調からして

龍泉様式を模倣した福建省辺りの窯で作ったものでは

ないのかと、推測される。ただ惜しいことは、環耳が折

れたため繋いである補修品と言う点である。

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