ギャラリー解説

古陶磁器

徳清窯黒釉盤口長頸瓶(五代時代、AD907〜959)

高さ20.7cm、口径5.2cm、頸長9cm、腹径11.6cm、

底径6.7cm

失透性の強いやや黒褐色がかった黒釉の色調や

胎土の土質から判断するに、浙江省の越窯系に

位置する徳清窯の黒釉であることは明白である。

徳清窯の黒釉は、晉の鷄首壺・薫爐・唾壺・蓋壺

等が有名で、特に六朝時代の遺物が多く伝わって

いるが、數は少なくても唐代にも宋代にも黒釉壺

を作っている。本品は、肩継ぎ平高台の盤口長頸

瓶で、六朝期にも唐・宋時期にも類例が見いだせ

ないが、盤口形態は既に六朝時代に見られる形

態であり、長頸形態も唐時代の越窯青磁に見ら

れる。また胴部の膨らみは鷄首壺の膨らみを小さ

くした状態である。以上の諸点から、一応時代を

五代時代と措定してみた。

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