ギャラリー解説

古陶磁器

灰陶青磁弦文有蓋蔕紐罐(三國時代、AD220〜279)

総高6.5cm、蓋高3cm、口径11cm、底径5cm

やや薄灰色的の胎土で、焼けこげや出土物として

の変色も認められるが、焼き締まった細かい肌理

の灰陶である。蔕形の紐が付けられた蓋には、う

っすらと六重の弦紋の跡が窺え、底部には轆轤の

糸切りの片流れの紋様がはっきりと見られる。本来

は蓋に青磁が施して有るのが一般的であるが、本

品は施釉忘れの為に捨てておかれた物であろう。紋

様や蓋の形態・碗の立ち上がり角度等から、三国時

期の青磁ものと判断したが、或いは東晉頃まで降っ

た長沙窯の可能性も有る。


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