ギャラリー解説

古陶磁器

外銷瓷青花赤繪金彩伊万里手折沿盤(清初期時代、AD1644〜1795)

高さ2.2cm、口径22.9cm、底径12cm

外銷瓷とは輸出磁器のことで、中国景徳鎭磁器は古くから欧州や中

東に輸出されているが、中国明末の混乱に当たり、欧州は安定的輸

出本として、景徳鎭に代わって日本の伊万里に発注し出すが、これ

が江戸初期の輸出伊万里である。しかし、中国が清朝に統一されて

一応の安定を取り戻すと、景徳鎭が再び輸出磁器を生産する様にな

るが、清初に在っては、先行の伊万里を模した様なものが作られる。

それが、俗に「チャイニーズ伊万里」と称される清初の外銷瓷である。

本品は、青花の上に赤繪で花卉紋を描き更に金彩を載せた典型的

な「チャイニーズ伊万里」であるが、惜しいことに赤繪と金彩が殆ど消

えている。また青花の太湖石紋などには、どことなく伊万里の風情が

感じられる。

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