ギャラリー解説

古陶磁器

倣郎窯紅釉瓶(民國時代、AD1950〜1990)

高さ25cm、口径7.6cm、腹径13cm、底径7.5cm

郎窯とは、康煕四十四年から八年間江西巡

撫の職に在った郎廷極が直接焼かせたもの

を言うが、なぜか銅呈色の単色釉磁つまり紅

釉を呼ぶようになる。その特徴は、燃焼時に

釉薬が下に垂れ、口縁部分は白色となり、そ

こから次第に紅くなり、牛血紅と言われる鮮や

かな真赤色を呈し、釉表には貫入が入り、高

台は白磁で無款である、と言われており、本

品は、その特徴を全て表しているが、肝心要

の紅釉の発色が悪く、牛血紅どころか、小豆

色乃至は葡萄色を呈している。折角郎窯を模

さんとした倣郎窯紅釉瓶ではあるが、発色の

悪いのは、如何ともし難く、民國以後の作品

であろうと思はれる。


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