ギャラリー解説

古陶磁器

倣明青花瓜形蓮蕾子口四季花文壺(民國時代、AD1912〜1949)

 高さ32.5cm、口径4.5cm、腹径18.5cm、底径11.5cm、

頸長14cm、蕾口高9cm、蕾口腹径8.5cm

在銘、大明洪武年製

極めていかがわしい作品である。胴体部分は六等分された瓜形

で、これは元末の釉裏紅等に見られる形式であり、頭部の蕾口

形は明初の永楽年間から出現する偏壺の口である。本作品は

元末と明初の形をそれぞれ合体させた形で、しかも銘がその中

間の洪武とは全く恐れ入った代物である。明の萬暦時代に「大

明洪武年製」銘の倣品が存在し、本品の銘文と極めて類似して

いるが、民国三十年代にも同銘の倣品が多く作られており、確

かに釉薬や青花の色調に萬暦の風が認められるものの、民国

の倣品と見た方が無難である。しかし、遊び心で見るならば、こ

れはこれで、面白い物ではある。


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