ギャラリー解説
書画
倣・黄慎、蝉抱楊葉圖(清初、AD1687〜1768) |
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絹本肉筆・・縦92.5cm、横49cm 本品は、どこにも黄慎の名や落款が無いが、画 讃の末に「エイ(病の中の丙を櫻の右側に変え た字)瓢子・或いは座瓢子か」と書かれ、その下 に楕円の「硯耕」なる落款が押されている。「エイ 瓢子」も「硯耕」も共に黄慎の号であれば、結果 として黄慎の作となるのであるが、問題は、画も 字も現存の黄慎作品より、遙かに上手い点であ る。であれば、「硯耕」なる落款を押した座瓢子 なる人物の、倣黄慎作品と言うことになるであろ う。楊の枝の上に止まった二匹の寒蝉を描いた 図で、構図的には非常に面白い絵柄である。画 讃は「変化功夫亦苦心、短長聲在緑楊林、秋風 古岸斜陽裏、惟有寒蝉抱葉吟」の七絶であり、 落款は陰文の「硯耕」である。黄慎か否かは別と して、画自体はなかなかの作である。黄慎は、福 建省寧化の出身で、清初の康煕26年(1687) 〜乾隆33年(1768)の人、恭壽・恭懋・躬懋・ エイ瓢・エイ瓢子などと号し、人物・花卉・草書な どを得意としている。尚、黄慎は「揚州八怪」の 一人である。 |