ギャラリー解説
書画
倣・呉煕載(譲之)、行書臨四帖(清中期、AD1799〜1870) | |
紙本肉筆・・縦128.5cm、横32.5cm 呉煕載は、字を譲之・号を晩學居士と称し、江蘇省の人で嘉慶四年(1799)から同治九年(1 870)にかけて活躍した、書法及び篆刻に優れた人である。本品は、呉譲之の署名と落款が 有り、更に第三幅に「己未年」つまり咸豊九年(1859)の日付が有るため、彼の六十歳の作と 伝えてはいるが、筆運び・筆勢等を見るに、本来の呉譲之よりも手慣れた感が有る。亦彼の作 品群の中に「文瀾仁兄」の爲に屬した扇面は見られるが、「文波仁兄」に屬したものは探し出せ なかった。故に、後世の倣品と考えられるが、倣呉譲之の模写であっても、墨色・紙質等から清 末の作品と判断され、資料としては面白い。 |