ギャラリー解説
書画
甲川小松重清、草書五絶(近代、AD1857〜1938) |
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紙本肉筆・・縦137cm、横67cm 「芋國書」の下に、陰刻「小松文雄」と陽刻「薩摩 幽篁」の落款が押されている。小松甲川は薩摩の 人で、名は重清、字は文雄、号を甲川・芋國・管 城・卍竹園・幽篁山房などと称し、薩摩藩奥絵師 佐多椿斎の三男であるが、後に小松姓に改めて いる。初め絵を父に、漢学と書を鍋倉春窓に学 び、名古屋で佐藤蘇材に、東京の成蔭学舎で漢 学を修め、また日本画を柳田龍雪に学び、外務 省や警視庁に勤めた後に帰郷し、鶴峯高等女学 校や第一高等女学校に務め、鹿児島県の美術教 育に尽力した日本画家で、書や篆刻にも堪能で ある。本品は、「小松文雄」の印象が押されてい れば、戸籍が整理された後の品である。本人自ら が刻した自用印には、「字曰文雄」「字文雄」「小 松重清」「重清之印」が有り、明らかに名は重清で 字が文雄であるが、明治に作られた戸籍では、名 が文雄と成っている。 |