ギャラリー解説

書画

傳・寫經斷簡(平安時代、AD794〜1185)

白紙墨書・・縦23.5cm、横5.5cm

たおやかな書体で写された、『大般若經

』卷185の断簡である。穏やかな結体で

ソリを打たせた筆線は、中国南北朝時

代の所謂「北涼体」の書法で、天平(72

9〜766)写経の遺風が窺われ、その筆

運びは平安初期の空海や最澄の遺墨に

も見られるものであり、書体上から見れ

ば、奈良朝末から平安朝初期の写しとも

言えるが、一応平安前期頃と措定した方

が無難であろう。


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