ギャラリー解説

書画

倣・文徴明、蓬莱圖(明中期、AD1470〜1559)

絹本肉筆・・縦120cm、横51cm

文徴明は、江蘇の人で、字を徴仲、号を衡山・停

雲生などと称し、成化六年(1470)から嘉靖三

十八年(1559)に生きた書画家で、画は山水・

花卉を、書は楷書・行書を得意とした、明代を代

表する四大画家(沈周・文徴明・唐寅・仇英)の

一人で、同時に呉中の四才子(祝枝山・文徴明・

唐寅・徐禎卿)の一人でもある。本品は、右上に

行書で「徴明」の署名が有り、その下に陰刻回印

の「文徴明印」と、同じく陰刻の「雁門世家」の落

款が押されているが、経年的な痛みや滲み及び

顔料の剥離状況等から、古渡り品と言えるが、

装幀は明治期の改装で和様仏式軸装である。

因って倣品とは雖も、可成り古い(明末清初頃か

或いはそれ以前)時期の写しと推測される。


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