ギャラリー解説

書画

傳・天龍道人渋川虚庵、草書七絶(江戸時代、AD1718〜1810)

紙本肉筆・・縦130cm、横57cm

「七十九翁天龍逸史題」の下に、陰刻「源惟貴字天爵」と陽刻「

東海逸史」の落款が押されている。渋川天龍道人は肥前の人

で、姓は王、名は瑾、字は公瑜、通称は渋川虚庵、号を天龍

道人・草龍子・水湖観などと称し、初め長崎に出て画と医術を

学び、19才で京に上って竹内式部らと討幕運動を起こすが、

未だ時の至らざるを察知して下諏訪に隠棲し、その後諏訪藩

に仕えるも詩文・書画を友として余生を送った、勤王の志士の

日本画家である。本品は、天龍道人の作として諏訪市の旧家

に伝えられ、可成り古い箱書きにも「天龍道人墨跡」と書かれ

ている、しかし、作品に押された印章の陰刻「源惟貴字天爵」と

陽刻「東海逸史」が、果たして渋川虚庵こと天龍道人の別名・

別号なのか否か不明であり、一応旧蔵者の表記に従って「天

龍道人」の作としておくが、果たして真の天龍道人なのか、別

の天龍道人なのか、博雅の士の教えを切に請う所である。


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