ギャラリー解説

書画

鐸山近藤幸殖、行書文(幕末維新、AD1814〜1890)

紙本肉筆・・縦112cm、横59.5cm

「鐸山藤殖」の下に、陰刻「藤幸殖」と陽刻「子殖氏」

の落款が押されている。近藤鐸山は伊勢の人で、

名は幸殖、字は子殖、号を鐸山と称し、伊勢亀山藩

の家老で、明治維新に当たって軍事奉行となり、次

いで大参事に任ぜられるが、職を辞して碩学大家と

交わり、文墨の世界に親しんだ人で、佐々木弘綱

の歌人として有名な近藤捨子の夫である。本品は、

董其昌の親友であった明末の書画家陳継儒の、『

小窗幽記』中の一節が書かれている。「絲毫の利を

貪れば便ち小人に陥る」とは、誠に自戒を要する言

葉である。


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