ギャラリー解説

書画

雨山長尾甲、行書十二字(近代、AD1864〜1942)

紙本肉筆・・縦135cm、横33.5cm

「長尾甲」の下に、陰刻「雨山老人」の落款が押さ

れている。長尾雨山は讃岐の人で、名は甲、字は

子生、号を雨山・石隠・睡道人などと称し、高松藩

士長尾勝貞の長男で、幼少より漢学を受けて天

性の詩才を示し、東京帝大古典講習科卒業後、

岡倉天心らと東京美術学校の設立に尽力し、同

校や学習院・第五高等学校・東京帝大等で講師

を務めた後、中国商務印書館の編集顧問となっ

て中国の文人墨客と交わり、帰国後は京都に住

して在野の学者として研究と講説に従事し、また

文人として詩・書・画三昧の生活を送り、泰東書

道院・日本南画院等にも参加した、漢学者にして

書家であり画家であり篆刻家でもあると言う、明

治後半から昭和初期にかけての、中国学の大文

人である。本品は、『尚書』大禹謨の一節が書か

れている。


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