ギャラリー解説

書画

傳・小竹篠崎弼、行書五絶(江戸時代、AD1781〜1851)

紙本肉筆・・縦133cm、横30cm

「乗晴偶曳杖、此雨満平原、天静山光遠、炊烟接暮村」

の詩の後に「小竹散人」とあり、陽刻丸印「弼(?)」と陰

刻「大路氏」の落款が押されている。篠崎小竹は豊後の

人で、名は弼、字は承弼、号を小竹・畏堂・退庵などと

称し、本姓は加藤氏である。彼は、九歳の時に篠崎三

島に学んでその養子となり、十九歳で江戸に遊び尾藤

二洲の学を聞き、一度帰阪後に再び江戸に出て古賀精

里に学び、その後大阪に帰って朱子学を奉じ、父三島

に代わって門弟に教授した儒者で、同時に詩文と書で

も名高かった人である。本品は、軸裏に「篠崎小竹五言

絶句」と書かれているが、寡聞にしてこの書に押されて

いるような印象は見た事が無く、また彼の字に「大路」

が有った事も知らない。因って、「伝」の作としておく。


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