ギャラリー解説

書画

傳・穂峰四谷(屋)恒之、隷書文(幕末維新、AD1831〜1906)

紙本肉筆・・縦130cm、横66cm

「穂峰書」の下に、陰刻「臣匠謹書」と陽刻「穂峰」の落款が

押されている。四谷穂峰は日向の人で、名は恒之、字は子

固、号を穂峰と称し、藩校文学寮に学んだ後、江戸の昌平

嚳に入って塩谷宕陰に、次いで森田節斎に学び、延岡藩に

仕えて世子の侍読を務め、維新後は太政官歴史課編修官・

元老院書記官・東京帝大講師等を歴任した儒者で、斯文学

会の創立(明治14年)に参加し、明治43年には内田遠湖と

の共著で『孟子講義』が出されている。本品は「四谷穂峰の

作」と伝えるが、紙質や書体にやや新しさが感じられ、「臣匠

」の印象も不明であり、更に文章の内容が、明らかに明治新

政府以後の事を記しており、確かに四谷は明治39年まで生

きてはいるが、一応「伝」の品としておく。


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