ギャラリー解説

書画

鷗橋柏木(勘八郎)直升 、行書十四字(幕末維新、AD1800〜1899)

紙本肉筆・・縦130.5cm、横32.5cm

「柏鷗橋」の下に、陰刻「藤原直升」と陽刻「號曰鷗橋」の落款が押

されている。柏木鷗橋は長州の人で、名は直升、通称は勘八郎、

号を鷗橋と称し、叔父に当たる井上馨の仲立ちで小倉の行橋の豪

商柏木家の養子となり、明治3年の豊津藩庁建設に出仕したり、明

治34年の陸軍演習に当たり邸宅を提供(森鴎外が宿泊)したりして

いるが、生卒等具体的な事は不明である。

柏木家は代々小笠原家に仕えた武士で、明石から小倉に移り武士

から商人になった家柄で、三代勘八郎直則が家禄を弟の直定に譲

って行橋に移り、商人となっている。正八幡神社に歌碑を残す直純

(山辺秋人、明治19年死去)は、直定の孫で本家柏木家六代目に

当る。本品の直升は行橋に移った直則の後裔で、恐らく三〜四代

後の人物であろう。


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