ギャラリー解説

書画

外山人安達常正、行書七絶(近代、AD1830〜1901)

紙本肉筆・・縦146.2cm、横38.3cm

安達常正の下に、陽刻「富山縣士族」と陰刻「安達

常正」の落款が押されている。安達外山人は富山の

人で、名は常正、号を外山人と称し、富山師範学校

の訓導を務めた後、上京して東京高等師範学校理

化学科を卒業(明治22年)後、23年に広島師範学

校教諭となり、31年に広島県師範学校長、32年に

鳥取県師範学校長、35年に北海道師範学校長、4

0年に栃木県師範学校長に、その後奈良師範学校

長に赴任している。島崎藤村の小説『破戒』のモデ

ルだと言われている、飯田市出身の教育者大江磯

吉に休職命令を下したのが、鳥取県師範学校長時

代の彼である。また『南海の尚友』(明治23年)『漢

字の研究』(明治42年)等の著作も公刊し、漢学者

としても知られており、同時に大日本教育会・帝国

教育会の会員で、可成り熱烈な国家主義的教育者

でもあるが、生卒等詳細は不明である。


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