ギャラリー解説

書画

秦山土方久元、草書七絶(幕末維新、AD1833〜1918)

紙本肉筆・・縦135cm、横33.7cm

「秦山人」の下に、陰刻「土方久元」と陽刻「秦山」の落

款が押されている。土方秦山は土佐の人で、名は久

元、字は?、号を秦山と称し、土佐勤皇党に参加し、

藩命に因って上洛し、三条実美の信を得て学習院御

用掛となり「七卿落ち」に随行し、中岡慎太郎と共に薩

長同盟に尽力し、維新後は明治天皇に信任されて宮

内大臣・宮中顧問官・枢密顧問官などを歴任した伯爵

で、大正初期には「生きたる勤皇討幕史」として有名で

、幕末の様子を描いた『回転実記』を著している。かの

『銭形平次』の作者野村胡堂も報知新聞記者としてイ

ンタビューし、その修羅場を潜った迫力に肝を冷やした

ことを記している。彼は、大正から昭和にかけて、築地

小劇場を拠点に新劇運動を興した演出家、土方与志

(久敬)の祖父でもある。


[ギャラリー一覧へ戻る]