ギャラリー解説
書画
養齋殿井隆興、行書文(幕末維新、AD1835〜1941) |
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紙本肉筆・・縦152cm、横41cm 「養齋興」の下に、陰刻「殿井隆興」と陽刻「大外」の 落款が押されている。殿井養齋は十津川の人で、 名は隆興、号を養斎と称し、医師の子で幼にして学 問を好み、維新後は御親兵として伏見練兵所に入り 、戊辰戦争従軍後は陸軍大尉として西南戦争に、 少佐として日清戦争に従軍し、中佐に昇進後に軍 職を退き、以後は東京で詩文に親しみ悠々自適の 生活を送り、江戸末・明治・大正・昭和と激動の時 代を生き抜いた、軍人にして漢詩人である。尚、彼 の妻は、幕末の事件で有名な寺田屋の女将お登勢 の長女りきである。十津川関係の資料に因れば、 殿井隆興は天保六年生まれで昭和六年死去の96 歳の長壽となっている。本品は、「昭和己巳」とあり それが正しければ、94歳の時の作となるが、同時 に「八十一叟」ともありそれが正しければ、大正乙卯 の作となる。また共に正しければ、彼の生まれは嘉 永二年(1849)と言うことになる。果たして何れが 是なるか、不明である。 |