ギャラリー解説

書画

海僊宮岡直記、行書五字(近代、AD1857〜1930)

絹本肉筆・・縦42cm、横63cm

「海軍中将宮岡直記」の横に、陰刻「宮岡直記」と陽刻「海僊」の

落款が押されている。宮岡直記は加賀の人で、名は直記、号を

海僊と称し、海軍兵学校卒業後、装甲艦分隊長・水雷長・軍令

部第2局員・駐米武官・巡洋艦副艦長・砲艦艦長・海兵監事長・

常備艦隊駆逐隊司令・鎮海防備隊司令官等を歴任した、海軍

中将の軍人である。内容は「義勝欲則昌」と書かれており、この

言葉は、中国の古典である『六韜』明伝第五に有る、周の文王

と呂尚(太公望)との問答で、太公が言った「義欲に勝れば則ち

昌へ、欲義に勝れば則ち亡ぶ」に基づいており、流石に当時の

士族将官の漢学の素養の深さには、見るべきものが有る。


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