ギャラリー解説

書画

傳・九峰高島張輔、行書七絶(近代、AD1844〜1927)

紙本肉筆・・縦126cm、横49.8cm

「晦生」の下に、陽刻「晦生」と陰刻「琴書堂主人」の

落款が押されている。高島九峰は萩の人で、名は張

輔、字は壽之、号を九峰と称し、萩藩医高島良台の

長男で、画家の高島北海の兄である。藩校明倫館で

学び、維新後は内務省や宮内省などの諸官を歴任

して、図書亮となった官吏であるが、詩書に優れて漢

詩人としても有名であった人である。尚、本品は巻き

止めに「高島九峰作」と有るものの、高島に晦生や

琴書堂の雅号が有った事例は見いだせない。琴書堂

の雅号は、江戸後期の安芸の儒者沢三石が使って

おり、字体は高島よりも沢に近いものの、沢に晦生の

雅号は見いだせない。因って、「伝」の品としておく。


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