ギャラリー解説

書画

倣・董其昌、草書五絶(明後期、AD1555〜1636)

絹本肉筆・・縦91cm、横31.5cm

董其昌は松江華亭の人で、字は玄宰、号を思白

・思翁・香光居士などと言い、明朝後期を代表す

る書画の大文人である。彼の作品は、既に生存

時代から倣品が作られ、彼自身もそれを意に止

めるどころか、喜んでいたとも言われている。本

品は、「董其昌」の下に、陽刻「宮・學士」と陰刻

「董氏玄宰」の落款が押され、関防印は陽刻の「

玄賞齋」である。落款は、現存の印と文字も大き

さも寸分違わぬが、関防印は文字は同じであっ

ても高さだけが5mm弱低く、書自体もややおと

なしい感じがする。絹布の質等々からして、恐ら

く明末清初の倣品であろう。改装時に天地が切ら

れたのが惜しい。


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