ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2023、6、27)

縦横・・2.4x1.7cm

『老子』シリーズの最後の二十顆目で、下篇第四十五章

の一句を小篆で刻した、「大巧若拙」(大巧は拙きが若し

)である。此の言葉は良く使われるが、そうそう簡單に

使える様な言葉では無い。本來は老子の言う「道」を體

得した者の有り様を説明した言葉で、「大成は缺くるが

若く、大盈は沖しきが若く、大直は屈するが若く、大巧は

拙いきが若く、大辨は訥るが若し」と言う。道を體得した

者は、一見すると「缺・沖・屈・拙・訥」の様である、と言

う。逆に體得していない者は、「成・盈・直・巧・辨」である

と言う事になる。「・・・の様である」と言うのが、意味深く

考えさせられる言葉である。


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