ギャラリー解説

書画

宕陰鹽谷世弘、行草書尺牘(江戸時代、AD1809〜1867)

紙本肉筆・・縦15.7cm、横30.5cm

宕陰が大野氏に宛てた書簡である。文末に宕陰の通称である

「甲蔵」の署名が見られる。鹽谷宕陰は江戸の人で、名は世弘

、字は毅侯、号を宕陰・悔山などと称し、父から句読を習い、十

六歳で昌平黌に入って松崎慊堂に師事し、後に幕府の儒官と

なり昌平黌の教授となった儒者である。宕陰の娘が大野氏に嫁

ぎ、その大野氏の娘が島田篁村に嫁ぎ、篁村の長子鈞一が川

田甕江の娘を娶り、一方娘二人は安井小太郎と服部宇之吉に

嫁ぐと言う関係で、幕末から明治にかけての漢学者同士の婚姻

を通じての結びつきが見られる。尚、本書は、櫻井家から出た

品である。


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