ギャラリー解説

書画

香雪下田歌子(鉐)、和歌短冊(近代、AD1854〜1936)

紙本肉筆・・縦36cm、横5.7cm

下田歌子が、櫻井光華の為に書いた和歌である。短

冊上部に「櫻井光華ぬしか斯道に?されたる功をおほ

やけよりほみ給へるを喜び?して」と有り、中央に

「学ひやの古木のさくら春を経てさくは功の花にぞあり

ける 歌子」と書かれている。下田歌子は、旧松平藩

士平尾氏の長女で本名を鉐と言い、祖父は著名な儒

者である東条琴台である。彼女は上京して宮中に仕え

、宮内省歌道御用掛り八田知紀に師事し、その歌才を

愛でられた昭憲皇太后から「歌子」の名を賜っている。

宮中を辞した後、下田猛夫に嫁いで下田歌子となり、

欧州留学から帰国して、実践女子学校(現、実践女子

大学)を創立して、女子教育に尽力した教育家にして

歌人である。本書は、櫻井家から出た品である。


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