ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印一顆(現代、AD2023、7、21)

縦横・・2.5x2.5cm

『新唐書』孟郊傳と張弘靖傳から各々一句を選び共に金

文で刻した、「忘形交」(忘形の交)と「不識一丁字」(一丁

字を識らず)である。韓愈が孟郊に會った時に、「一見し忘

形の交を爲す」と有る、地位や身分は關係無く交友を結ぶ

事を言う。亦た張弘靖は「一丁字を識るに如かず」と言って

いるが、「一丁字を識らず」とは、全く文字の読み書きが

出來ない事を言う。この言葉は、幼少の時に聞いた事が

有る。祖父が中央の椅子に座り両脇に偉丈夫が侍立した

写真が有り、此の二人は誰かと聞いた所、禿げの方が馬

占山で、反對が伊達順之助だと答えた。日満両馬賊の巨

頭を從えた写真であったが、その時祖父が禿げを指して、

「彼が、目に一丁字無き馬占山だ」と言った。この言葉、今

も己の頭に殘っている。


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