ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印一顆(現代、AD2023、7、21)

縦横・・2.2x2cm

『舊唐書』李義府傳と盧懐愼傳から各々一句を選び、共に

小篆で刻した「笑中有刀」(笑中に刀有り)と「伴食」である。

「笑中有刀」は、腹黒い人を指す言葉で、義府は一見微笑

み絶やさぬ温厚な人の様ではあったが、其の裏で常に陰

険な事を考えていた爲、時人がこの様に彼を評したと言う

。「伴食」は、要職に在っても其れを遂行する能力が無い

無能者を嘲笑う言葉で、政務を全て同僚の姚崇に任せき

りだった懐愼を、世間が「伴食宰相」と稱した事に基づく。

因みに小生は、要職に就くと常に問題を起こし、任期途中

で必ず解任されると言う爲体で、教授會に顔を出す程度の

將に「伴食教授」でしかなかった。誠に身につまされる言葉

である。


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