ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印一顆(現代、AD2023、9、16)

縦横・・2.4x2.1cm

老化現象で目も耳も悪くなり、頭の回轉も相當悪くなったが

、記憶力だけは未だ健在の様である。其處で昔讀破して

頭に殘っている言葉を思い出しながら、石に刻する事にし

た。宋玉の「高唐賦」の一節を古璽文で刻した、「旦爲朝雲

」と「暮爲行雨」(旦に朝雲と爲り暮に行雨と爲る)である。

物事は時々刻々と變化するが、其れは人生も同様である。

生まれた時は輝く朝雲の様であるが、最晩年は靜に降りし

きる行雨の中に居る様である。その雨が晴れた時こそ、己

が土に、無に、虚に歸る瞬間であろう。己は未だ行雨の中

を彷徨っている。


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