ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2023、9、23)

縦横・・8.3x2.5cm

どうも老人は、時として思考が停止する事が有るみたい

で有る。この數日氣のきいた漢語が全く思い浮かば無

い。この様な時は、何もしないで放っておくと元に戻る。

しかし、愚かな事に無意識に手が刀を握っている。其處

で、現職時代に研究室のドアノブに懸けてあった木札

の文句を思い出し刻してみた。此は、「印」等と呼ぶ事さ

え憚られる、スタンプ或いは木札を石に模したに過ぎな

いが、押して見て「春」の字を誤った事に氣が就いた。

いい加減な思いで石を刻すると、斯くの如き失敗を犯し

てしまう、と言う典型的な見本である。印篆で刻した「春

夏冬二升五合」で、「年中商い益々繁盛」と讀む。愚かな

遊びをしたもんだ、と反省後悔頻りである。


[ギャラリー一覧へ戻る]