ギャラリー解説
書画
黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2023、10、1) |
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經・・8.1x2.5cm 筆者は元來田舎の貧乏神主の小倅にしか過ぎないの で、晴れやかな場とか高級なもの等は、未だに苦手で 性に合わない。白米が一番のご馳走と今でも思ってし まう悲しい輩であるが、沢庵で湯漬けを掻き込んだ時の 幸福感は何ともいえない。人は、其の人の身にあった環 境に身を置くのが良いのではなかろうか。吉川英治の『 三國志』では、曹操に厚遇優待された關羽が「匹夫は玉 殿に堪えず」と言っており、亦た江戸中期の播磨の俳人 滝野瓢水の作として、遊女を身請けし様とした友人を止 めて言った、「手に取るなやはり野に置け蓮華草」の句 が人口に膾炙している。この二句を金文で刻した、「匹 夫不堪玉殿當置野蓮華草」(匹夫は玉殿に堪えず、當 に野に置くべきは蓮華草)である。正直に言えば、在職 中は大學教授の金看板が重かった、其の名に相応しい 能力が無い事は、己自身が一番良く分かっていたが故 に辛く苦しい半世紀であったが、退職してやっと肩の荷 が降ろせてほっとしている。 |