ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2023、10、27)

縦横・・2x2cm

有名な『孟子』離婁上の一句を、古璽文で刻した「道在邇」

(道は邇《ちかき》在り)である。何事も物事の本質は、己

の近い所に存在する、と言う事であるが、人は得てして遠

い所に其れを求め様とするものである。しかし、其れは己

の近場、否己自身に在る事が往往にして多い。故に己を

照らして内省する事が常に必要で、己の足下も見えない

様では、結局何も見えない事になる。然りと雖も、己を客

観的に内省する事は、甚だ難しい。どうしても己を贔屓目

に見てしまうのが、人の性であれば、「道は邇に在り」と言

っても、中々見つけられないのである。


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