黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆（現代、AD2023、11、2）

縦横・・7x3cm

人には各々立場や唱える正義に違いが有る。其れを闘

わせていれば、お互いが憎悪と憎悪を抱く様みなり、憎

悪が憎悪を生み出す負のスパイラルに陥り、脱出口が

見えなくなる。長年の憎悪が一朝に氷解する事は不可能

である事は十分分かっているが、其の憎悪を一寸横に

置いて、叡智と理性を發揮してお互いを思いやる氣持ち

を持って頂きたいと願うのは、愚か者の夢想であろうか。

小篆で刻した「恕怨」（怨を恕《ゆる》す）である。「怨」に

も「恕」にも「心」が有る。其の心に互いを思いやる氣持

ちを少しでも持ったなら、僅かでも明日への光明が見える

のではないのだろうか。