ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2023、11、10)

縦横・・4.9x2.5cm

筆者は、篆刻とは法外の心を方寸の世界に刻み込み、し

かも創造性と創作性を駆使して表現する、深淵で奥深い

藝術世界だと、理解している。しかし、其の様な思いで石

と向き合うのは、せいぜい年に六個前後であり、目指せ

駄印千個の習作は、即興的卒意の興に任せたもので、

將に刀任せの石彫り駄印に過ぎず、言葉も俗物的・私的

なものが多い。己は十代の初めより漢文を讀んで來て、

其れが己の生活の主體と成って來た。退職後も月一の

研究會や週一の讀書會が有り、日々漢文を讀み續けて

いるのではあるが、それらは全て茅屋から歩いて行ける

範圍で収まっている。其處で現在の己の有り様を印篆で

刻した、「無頼讀屋在徳丸」(無頼の讀み屋は徳丸に在り

)である。


[ギャラリー一覧へ戻る]