ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2023、11、12)

縦横・・2.5x2.5cm

『禮記』の中庸篇に、人並み以上の努力を言い表したもの

として、「人一たび之を能くすれば、己は之を百たびす」と

言うのが有る。其處で己の力量を顧みた時、とても百たび

では覚束なく、最低でも千たびは必要であろうと思った。

其れ故に「駄印千個」を目標にしたのであるが、千個に到

達したら、恐らく次は萬個となるであろう。しかし、これは

果たして努力であろうか、單なる愚行の徒労にしか過ぎな

いのではないのか、とも愚考しているが、其の愚行自體

を樂しいと思う己が存在している。孰れにしても老人の樂

事等は、愚行と徒労の積み重ねかもしれない。甲骨文で

刻した「己千之」(己は之を千たびす)である。


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