ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻扁額風自用印一顆(現代、AD2023、11、27)

縦横・・2x5.2cm

後世の手本と成る様な前人未踏の事を、創意創作する態度を示

した有名な言葉で、慶應義塾大學の校訓にもなっている四字句

を、戰國篆文で刻した「自我作古」(我より古を作す)である。本

來この言葉は、『宋史』卷百二十二の禮志二十五に有る南宋の

孝宗の言葉で、崩御した高宗の葬服問題に就いて、王淮らの上

奏に對して孝宗が、「我より古を作す、何の害やあらん」、と言っ

ているのに基づくいている。前例に無い様な事を、自ら始めよう

とした時などに言う言葉である。では篆刻の章法なども真面目に

研鑽せず、矢鱈に石を刻しまくっている己は、我より古を作した

ものかと言えば、答えは否である。己の愚行は、「我より將來の

笑いを作した」ものにしか過ぎない。


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