ギャラリー解説
書画
黄虎洞手習い、陰刻自用印一顆(現代、AD2023、12、5) |
|
|
|
縦横・・5.2x2cm 年をとって能力も記憶も半減し、日々小言に晒されてい るが、年の功で其れなりに役立つ事もあるだろうと、少し 居直っていたら、『韓非子』の言葉を思い出した。其處で 説林上に有る一句を、金文で刻した「老馬智」(老馬の 智)である。『韓非子』には、「管仲・隰朋、桓公に從ひて 孤竹を伐つ、春往き冬反り迷惑し道を失ふ。管仲曰く、 老馬の智用ふ可きなりと。乃ち老馬を放ちて之に随ひ遂 に道を得たり」と記されている。年をとった駄馬でも、少し は其れなりの智があるろうと思うが、妻に言わせれば、 小生の智は現實に役立たぬ智らしい。流石に出かけて 歸る道を失念する事は未だ無いが、最近は道に迷って 家に歸れなくなった夢を、良く見るようになった。恐らく惚 けに對する無意識の恐怖心が、夢を見させているのだろ うと思うのである。 |