ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰刻自用遊印一顆(現代、AD2023、12、9)

縦横・・3x1.6cm

甲骨文で刻した「一言難盡」(一言盡し難し)である。文語

的には、『孟子』公孫丑上に有る「曰く言ひ難し」が一般的

であるが、此は口語に近い。一應宋代の話本小説集であ

る『京本通俗小説』の「志誠張主管」の部分に、張主管が

「夫人何在這裡」と問い、夫人が「一言難盡」と答えたのが

有り、以後『水滸傳』や『儒林外史』『老殘遊記』等にも散見

するが、武侠ドラマでも良く耳にする。今でも此の後に「面

倒くさい・言いたく無い」の意味を表す「懶得聊」を付けて

一言難盡、懶得聊」と言う。己の此の一年を振り返

ると、決して「懶得聊」では無いが「一言難盡」であり

、將に一言では表し盡せない有爲轉變の一年であった。


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