ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2023、12、11)

縦横・・2.5x2.5cm

古璽文で刻した「心念刀耕」(心にて念ひ刀にて耕す)であ

る。とても「耕す」などと言える大それたものでは無く、單に

刻しているに過ぎないが、其れでも日々心に思った事を、

刀で彫っている。因みに、文筆を生業とする事を「心織筆

耕」と言うが、此は初唐の王勃の故事に基づいた言葉で、

張著の『翰林盛事』(逸書)を引用した馮贄の『雲仙雜記』

卷九に、「王勃至る所、請託文を爲し、金帛豊積、人は心

織筆耕と謂ふ」と有る。己の行爲は、「耕」どころか「刻」に

も至らぬ「彫」ではあるが、「心に念う」事だけは忘れてい

ないつもりである。


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