ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陽刻自用印一顆(現代、AD2024、2、28)

縦横・・2.5x2.5cm

普段でさえ難しい小篆が、現状の如き指先で、あの柔ら

かい線が刻せるか否か、甚だ不安であったが、意を決

して刻してみた。『詩經』鄭風の風雨の一句で、「云胡不

喜」(云《ここ》に胡ぞ喜ばざらん)である。取り敢えずこ

の程度のものが刻せた。思えば例え抗癌剤の副作用

が酷かろうとも、九割方覺悟した人工肛門を付ける事

無く、S字結腸癌の部分を全て削除し、腸の結合が無事

に成功したのは、医師の手術の腕の冴えであり、天祐

とでも言う可き結果であった。其れを考えれば將に「云

に胡ぞ喜ばざらんや」である。後は、この線の半分程の

巾の細い線の小篆が、彫れるか否かである。


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