ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、4、25)

縦横・・2.4x2.4cm

『論語』先進篇と顔淵篇の一句を、古璽文で刻した「言必

有中」(言へば必ず中《あた》る有り)と、印篆で刻した「以

友輔仁」(友を以て仁を輔く)とである。得てして饒舌多言の

人は、何處か誤魔化しているのではないのかとついつい

疑ってしまう、逆に寡黙な人は、何か言った時には物事の

本質を鋭く指摘し、將に寸言人を射るの感が有る。亦た友

と交わる事に因って、己の仁を涵養し高めて行くと言う。で

は己は如何と考えると、決して饒舌では無いが話し出すと

長いらしい、四十五年間も大學の教壇に立って喋り續けて

來た一種の職業病であろう。亦た仁を高めたか否かは分

からないが、友に恵まれ師に恵まれた事だけは事實であ

り、師の叱責友の遠慮のない指摘等々が、今の己を作り

上げている事は明白である。


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