ギャラリー解説

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、4、26)

縦横・・2.4x2.4cm

『論語』子路篇と憲問篇の一句を、それぞれ甲骨文で刻

した「直在其中」(直は其の中に在り)と、「今之學者爲人」

(今の學者は人の爲にす)である。正直とは、其の行爲の

中に有るもので、何が其の人に取っては正直なのか、一

般論では無く、其の人の行爲全體から判断する、と言う有

名な直の故事であるが、其れが真に「直」なのか否か、

「恕」であればまだ分かるが、「直」と言われると甚だ疑問

が生じる。昔の學者は、己の人格を涵養して高める爲に

學んだが、今の學者は人に認められる爲に學んでいる、

と言うが、此は否定出来ない。今は何をどうすれば大學教

員のポストが入手出來るか考え、目的有りきの學に變った

様に見受けられるが、言うなればそれだけ學徒の途が嚴

しくなったと言う事であり、例え優秀な學生に出會っても、

「大學院へ行ってもう少し學んだら」等と輕々には言えなく

成って來た。


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