ギャラリー解説蛟蛟

書画

黄虎洞手習い、陰陽刻自用印二顆(現代、AD2024、5、13)

縦横・・3x2.4cm

『蒙求』の匡衡の一句を金文で刻した「解人頤」(人の頤を

解)と、郤詵の一句を古璽文で刻した回印の「一枝片玉」と

である。匡衡は好學で精力人に過ぎるものが有り、特に「

詩」を説かせると止まる所を知らず、聞く人をして呆れてあ

んぐりと口を開けて笑うだけで、止める事が出來ず、人々

は互に「詩を説くこと無かれ」と言い合ったと言う。郤詵は博

學多才で、雍州刺史に任じられた時、送別の宴で晉の武

帝が「お前は州刺史の職をどう思うのか」と問ったのに對

し、郤詵は「桂林の一枝、崑山の片玉の様なものです」と答

えている。もっと重要な職に就けて欲しいとの意を託した言

葉で、武帝も其の大言壮語に笑ったと傳えている。日本で

言う「役不足」である。「そんな仕事は、俺にとっては一枝

片玉(役不足)だ」と、天子に向かって言い放ったのである。


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